1回戦敗退は実質勝ちみたいなもん

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2022年の名古屋でのM-1グランプリに続き、2023年もこの舞台に立つ決意を固めました。今年は地元福岡での出場です。名古屋の多目的ホールから、吉本興業が保有する劇場へと舞台は移りましたが、目標は変わらず「2回戦進出」です。

劇場ってテンション上がるよね

福岡の会場は「よしもと福岡 ダイワファンドラップ劇場」(旧称:よしもと福岡 大和証券/CONNECT劇場)です。恥ずかしながら、これまで足を運んだことがありませんでしたが、その大きさや美しさには圧倒されました。

受付をスムーズに済ませると、関係者専用エリアへと案内されます。設備は非常に充実しており、自動販売機、洗面台、更衣室など、演者にとって必要な機能がすべて揃っていました。テレビで見るような、まさに「楽屋」という雰囲気で、わくわくして思わず写真を撮ってしまいました。

鏡って逆に写るんですね。
鏡って逆に写るんですね。

時間に余裕があったので、周囲を散策しつつ、最終調整に取り組みました。M-1の予選ではお馴染みの出囃子があるのですが、今年は私たちも入場タイミングを完璧に合わせるために、音源を用意して練習に励んでいました。何百回も音源に合わせて「どうも〜〜〜」と言ったことでしょう。

楽屋ではステージが映されているモニターがあり、様子が見れます。そのとき出囃子も流れるのですが、想定していた出囃子と違うことに気づき、疑問符が頭の上に5つほど浮かびます。

実はグループごとに運営側の裁量でブロック分けしており、ブロックごとに出囃子が存在していたのです。我々はCブロックだった(ような気がする)のですが、Aブロックの出囃子を延々と聞いていました。

ここで一瞬調子を崩されかけますが、二人で「あの練習なんだったん?(笑)」と笑い飛ばせるぐらいには心の余裕がありました。




いざ舞台へ

やがてスタッフの方に呼ばれ、同じグループの出演者たちとステージへ続く扉前に並びました。私達はグループの先頭だったのですが、その時、相方が後ろの男女コンビと話しているのを見かけました。後で聞いたところ、我々の身長の高さからマイクの高さ調整について話していたようです。どうやら我々とマイクの関係は切っても切れないようです。

ステージ裏に入ると、想像していた狭い通路とは違い、かなり広々としていて、その場でブレイクダンスができるくらいの余裕がありました。私は落ち着いており、肩を回したり、その場でジャンプしたりして、気合を入れます。

そしてついに出番がやってきます。相方と「よっしゃ、楽しもう!」と声を掛け合い、ステージへと飛び出しました。

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結果

舞台に立つと、緊張は少なく、客席をしっかり見渡せました。それにしてもスポットライト眩しすぎるなぁと思いつつも、このステージに立てている喜びを噛み締めます。

去年とUnder5 Awardでの反省を活かし、マイクの位置もしっかり調整していました。しかし、想定以上に笑いが起きず、ボケの3〜4割しかウケなかったように感じました。お客さんは温かい雰囲気でしたが、その温かさが私たちの力不足を露呈させたようです。

敗北という名の勝利

肝心の結果は「1回戦敗退」。しかし、これが敗北なのかと問いかけたくなる。去年よりも成長はしていたし、失敗したと感じた部分はほとんどなかった。会場のお客さんは温かかったし、私たちも最後までやりきった。敗北とは名ばかりで、心の中では小さな勝利を手に入れたような気がする。

だから、この敗北は「敗北という名の勝利」と思いたかったが、実際は悔しすぎて二人で数日悪態ついていました。我々を出してくれるライブ見つけて、場数増やすぞ〜〜〜っと。




ダナブルーとは?

デンマーク産のブルーチーズの一種です。独特の強い風味があり、好みが分かれることから、独自のスタイルやユーモアを持つ漫才を連想させたいという意味を込めて付けた…というのは後付です。名乗るときの口触りがいいのと字面が良かったため。そういう事業団体から指摘を受けて変更要請をもらうまでは使用し続けると思います。